任天堂NXがNVIDIAの業績へ与える影響の考察
面白い記事が The Motley Fool に掲載されていましたので、端折って意訳いたします。現状NX向けがなくても、NVIDIAは十分成長はしているんですが、あればよりいいですよね。
(抄訳)
・Digitimes の予測によると、任天堂NXは、年間 950~1,000 万台の出荷予定である。
・NXに搭載されるであろうTegra派生商品は、iPad Pro に搭載されている A9X と同じようなスペックを備えているであろう(タブレット向けのプロセッサーの中でも、ハイエンドで、グラフィック処理に強いもの)。
・よってサイズは 150平方mm となると思われる。
・それは TSMC の 16nm FFT ラインで製造されるであろう。
・私は以前AAPLの A9X のラインにおける製造原価を、以前 @$37.50 と推定した。
・アップルは自分の製品に搭載するが、NVDAは任天堂にそのチップを卸す。そこで、35%程度マークアップして@$50ぐらいで、卸すのではないか。すなわちそれが任天堂の仕入れ価格になろう。
・ただこの類のチップは去年より製造が開始しているので、歩留まりは改善しているであろう。おそらく65%ぐらいだったものが、80%程度にはなっていると思われる。
・この前提で足し算すると、生のシリコンダイが@$27、パッケージングに@$3~$5なので、ライン製造原価は@$30~$32ぐらいだろう。
・そこにTegra の通常マークアップ率である35%をかけて、@$40~$43 で任天堂に卸すのではなかろうか。
・もし@$40で卸すとするならば、NVIDIAは、年間$380~$400ミリオンの増収となる。
・ちなみに2016年1月期のTegra関連売り上げは、$559ミリオンであった。その大部分が、自動車関連向けのチップからもたらされている。
・上記の前提が正しければ、そのインパクトはかなり大きなものとなる。
・ただし他の製品の粗利益率が57%程度なのに対して、自動運転向けでないTegraは35%程度だという点に注意が必要である。
・よって営業利益に$140ミリオン上乗せする効果が見込める。
・これはNVDAの2016年1月終了年度の営業利益が$747ミリオンだったので、19%のアップ効果ということである。
・ただ上記の前提はいくつかの不確実な点がある。まずNXの年間1,000万台出荷という目標がやや楽観的であることだ。、Wiiは1億台以上売れたが、WiiUは累計で1,300万台売れただけである。
・私が推定したTegra の卸価格が不正確である可能性もある。
・そしてなによりも、信頼できるいくつかのソースからの情報にもかかわらず、NXがTegra を採用してなかった!という可能性も捨てきれないのである。
・ただDigitimesによると、トライアル生産はすでに始まっているそうである。