WiiUの惨状こそがNXの成功につながる!
2016年7月27日開催
ポケモンGOで話題の任天堂関連銘柄を徹底解説
難易度★★☆☆☆初~中級者向け
講師:楽天証券経済研究所 アナリスト 今中 能夫
7月6日に世界各国で配信が開始されたポケモンGOの関心がマーケットで高まっております。
米国では社会現象となっており、関連銘柄の動向に注目が高まっております。
そこで急遽、楽天証券経済研究所今中能夫が、関連銘柄の徹底解説を行いました。
当日は、今中がご参加いただいた皆さまの質問にご回答させていただきました。
- このようなことが学べます!
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- 話題の任天堂関連銘柄について
2か月ほど前になりますが、楽天証券の今中さんが面白いセミナーを開催していたので、ポイントをピックアップしてみます。
NVDAホルダーはNXの夢を見るのか?
(以下めぼしいポイントをピックアップ)
・いままでゲーム業界を長年ウォッチしてきたが、この盛り上がり方は異常
・ポケモンGOが株式会社ポケモン経由で任天堂の今期業績に与える影響は、持分法適用会社からの利益ということで、営業外利益で、62億~81億円ほどのプラス効果であろう。
・ウェアラブル・デバイスの ポケモンGO Plus が任天堂の今期業績に与える影響は、営業利益に170億~220億円ほどであろう。
・莫大な広告効果( Niantic,Inc. の存在は徐々に認知されつつあるが、ポケモンといえば任天堂という図式は明確に存在する)
・巨大な顧客ベースがまたたくまに形成された(9月末時点で全世界3~5億ダウンロード以上)。
・DSの累計販売台数は1.5億台だが、売るのに8年かかった。
・過去5年間は全くパッとしない会社であった。
・(スーパーマリオRUN)、どうぶつの森、ファイアーエンブレムのスマホアプリの出来次第で、スーパーサイクル起動か?
・11月発売の新3DSポケモン(サン/ムーン)で、ポケモンGOと連携か?
・ポケモンGOは顧客層拡大の起爆剤になればよく、そこからの直接的な収益はいらない。
・スマホゲームにより収益を安定化させることこそ狙い。
・家庭用ゲームもスマホゲームもソフトに関しては任天堂を信頼してよい。WiiUもソフトへの評価は高かった(例:スプラトゥーン)。
・1ハードあたり4ソフト売れるというのが過去の経験則
・任天堂は自社製ソフト比率が高いので、レバレッジがかかっており、ハードが好調になってくると、それにつられてソフトもどんどん売れて、収益がより跳ねる構造になっている。(ソニー、マイクロソフトでは自社製ソフトが少ないのでソフトが売れても業績に比較的影響が出にくい。)
・コンソールの世代交代で一番問題となるのがカニバリゼーションである。従来の自社ハードとの喰い合いである。新しいハードが出るときに、以前のハードで遊んでいる人が大勢いて、その人たちに新しいハードをいかに買わせるかが問題となる。しかしWiiUは1千万台しか売れなかったので、この心配がない。
・以上は(TGSのちアップデート後の)売れ行き予測であるが、来期以降のスーパーサイクルを起動するためには、NXの売れ行きと、スマホゲーム(スーパーマリオ、どうぶつの森、ファイヤーエンブレム)の出来具合がポイントとなろう。
・ソニーにも来期4,000円以上狙える投資妙味あり。
・村田製作所も iPhone7 銘柄としてウォッチする価値あり。
・他のスマホゲーム会社はさわらないほうがいい。
・キャピタル・リサーチも任天堂3万円以上では売っていたが、2万円近辺では買っている。2万円近辺は安い。
・9月からの半年間で任天堂の向こう5年間の業績が決まる。
・この時期はゲーム会社は一言もしゃべりたくないし、不確定要素が大きすぎてしゃべれないであろう。任天堂のIRが不親切なのも仕方ない面もある。
・これは今の社長の英断であるが、生産台数をそして、新作ソフトの投入を絞ることにより、WiiUの息の根を自らの手で止めた。これにより、限られている人材をNXの開発に注力させることができるし、比較的スムーズにユーザーを移行させることができる。
・それはWiiUのユーザーをある意味切り捨てることにもなるが、あんまり母集団が多くないので問題ない。というかWiiU買うぐらいの任天堂ファンはNXも買うでしょ。